11.歯や歯の周りの組織
唾液の働き 田中 道生
唾液には口腔内の乾燥を防ぎ、運動や発音を潤滑にし、食物の嚥下を助けるという動きだけでなく、
残った食物を洗い流す洗浄作用、糖分の摂取により虫歯になりやすい酸性になった口腔内を中性に戻す緩衝作用、
唾液アミラーゼによる糖質消化作用、歯の保護や歯を強くする作用、抗菌作用など様々な働きがあります。
これらは歯と全身の健康のために重要な働きです。
唾液の分泌量はよく噛むことによって多くなります。
どんな食物でもすぐに飲み込まずに、よく噛んで食べるように心がけましょう。
エナメル質について 中西 透
エナメル質は胎児6週間頃から作られます。
体の中では最も硬い組織であり、実験的には約200年使用に耐える程です。
しかし、欠点として硬くてもろいという特徴があります。
色調は白色半透明ですが、これは加齢とともに褐色がかってきます。このエナメル質はエナメル小柱という物質と、
これを埋める物質との集合体であり、1つの細胞で1つのエナメル小柱が作られます。
その数は前歯では約850万個の細胞からなります。
また化学的組成は、95%以上のリン酸カルシウムを主体とした、
ハイドロキシアパタイトの結晶構造となり、残りは有機物質と水分です。
このエナメル質の形成は、胎児期から始まり、12〜16才頃まで行われます。
以上の事から、エナメル質は多くの細胞によって形成されているので、
出産前から16才頃まではバランスのとれた食事を摂取するようにして下さい。